【空間放射線量率計】
空間放射線量率計は、空間放射線(ガンマ線)を測定するための装置です。検出器には、NaIシンチレーション検出器と電離箱検出器の2種類あります。
【NaIシンチレーション検出器】
放射線がNaI(Tl)結晶に入った時、放射線のエネルギーに比例して蛍光(シンチレーション)が発生する原理を利用した測定器です。この検出器では環境放射線モニタリング指針に基づき、発電所に起因する放射線のうち50keV〜3MeVのエネルギー範囲を測定しており、線量率の他に放射線のエネルギーに関する情報を得られます。この測定器では通常レベルから10〜100μGy/h程度まで計測できます。
Nalシンチレーション検出器
【電離箱検出器】
放射線が電離箱に入った時、電離箱検出器内に封入されているアルゴンや窒素などの気体が電離する原理を利用した測定器です。この検出器では原理的に放射線のエネルギー範囲を限定した測定ができないので、高いエネルギーである宇宙線も含めて測定されます。そのため、NaIシンチレーション検出器よりも約30nGy/h高い値を示します。この測定器では通常レベルから100mGy/h程度(NaIシンチレーション検出器の約千倍から1万倍の線量率)まで計測できます。
電離箱検出器
【雨量計】
降雨量を測定する装置で、0.5mm単位で雨量を測定できます。
雨量計
【感雨計】
雨量計で観測できない少量の雨や、雨の降り始めなどを観測するための装置で、直径0.5mm以上の雨滴を検知できます。
感雨計
【風向風速計】
発信器の向きで風向を、プロペラの回転数で風速を調べます。風向は16方位で、風速は0.4〜90m/sまで測定できます。風速0.4m/s未満の風向は測定機器の計測範囲外であるため無風と表示されます。県の測定局では地上高約10mの高さで観測を行っています。発電所の気象観測塔では地上約40mの高さで観測を行っています。
風向風速計
【日射計、放射収支計】
大気の安定状態を確認するための装置です。日射計は太陽の放射熱を測ります。放射収支計は、空から地表へ向かう放射熱とその逆向きの放射熱との差を測ります。
日射計
放射収支計